弘善会 医療技術部

医療法人 矢木脳神経外科病院  医療技術部 薬剤師 臨床検査/工学科 理学療法士 作業療法士 言語聴覚士

先輩の声

検査は各種検体検査、輸血検査、生理機能検査を行っています。
緊急検査は24時間体制で臨んでいます。

◇輸血検査
事故で多量の出血や、大きな手術する場合に重要な治療の1つです。
輸血が必要な場合は血液型検査、不規則抗体スクリーニング検査、交差適合試験などの検査を行っています。

【 ABO血液型 】
ABO血液型では、赤血球表面についているA抗原とB抗原により、また血清中の抗A抗体と抗B抗体により、A型、B型、O型、AB型の4つに分けられます。
ABO血液型は赤血球の抗原を調べるオモテ検査と、血清中の抗体を調べるウラ検査の両方の検査で判定を行います。
   ・オモテ検査:患者血球と抗A血清または抗B血清を混ぜて凝集をみます。
   ・ウラ検査 :患者血清とA血球、B血球、O血球の試薬を混ぜて凝集をみます。

院内研修風景

 

【 Rh式血液型 】
ABO血液型とは別の抗原系を用いた判定法で、赤血球上にD抗原があるものをRh(+)、無いものをRh(−)と言います。
日本人のRh(−)の頻度は0.5%程度です。
検査は患者血球と抗D血清を混ぜて凝集をみます。
輸血時には、血液型を合わせる必要があります。


【 不規則抗体スクリーニング検査 】
「不規則抗体」はABO以外の血液型に対する抗体のことで、過去に輸血や妊娠などによって他の血液型に対して不規則に産生される抗体です。
輸血事前には不規則抗体の有無を調べて、安全な血液(適合血)を輸血しなければなりません。不規則抗体に反応する抗原を持つ赤血球を輸血すると副作用(体内で凝集や溶血)を起こしてしまいます。


【 交差適合試験 】
輸血を行う前に、患者さんの血液と血液製剤の血液を、試験管内で混合し凝固や溶血が起こらないかを確認します。輸血が適合するかを調べる検査です。

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◇検体検査
 血液や尿などの検体を検査材料とし、一般・血液・生化学・血清検査を行っています。

【 生化学検査 】
採血した血液は遠心分離され、血球と血清(上清)に分けられます。この血清の様々な成分を生化学的に分析し、からだの異常や病状の把握ができます。

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【 免疫学的検査 】
免疫とは体内に異物が侵入した時に起こる反応のことで、体内に異物(抗原)が侵入すると、これを排除するための物質(抗体)が作られます。免疫学的検査は、抗原や抗体の量を測定し、感染症の有無を調べています。

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【一般検査 】
一般検査は主に尿や便の検査を行っており、その他に髄液検査などの検査も行います。尿検査は糖やタンパクの有無など尿の成分を検査します。また、顕微鏡での尿中の血球・細胞・細菌などの量を観察します。腎機能の検査として有用です。

便検査は消化管系の出血の有無を調べる潜血反応を行います。大腸癌のスクリーニング検査として有用です。

 

【血液検査】
血液検査は赤血球や白血球や、ヘモグロビンなどから、貧血や炎症の程度などを把握します。
また、凝固検査は血液の固まりやすさや血栓の作りやすさなど、凝固因子を検査します。  

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